ガガガ文庫 200811

冷え込みが厳しくなるそうです。末端が冷えやすいのでどうしたものか。

年がら年中同じような服装なので、寒がりだと言っても信じてもらえません。

 

それでは、本日の戦果。

受肉刑 草稿15

「チェックメイト……よね?」

  そう、宣言した。疑問形になっているのは、確証を得られていないからだ。現在の神経ハッキング技術では、思考などの高レベル情報までは読み取れない。相手はあの、人間として常軌を逸した存在であるパパが唯一恐れる人間なのだ。未だ切り札を隠し持っていないとも限らない。

「そうだな。生殺与奪の権はお前が掌握している」

  この状況になっても相変わらずの、含みのある尊大な言いざま。『カール』なんて偉そうな名前を持つと、態度まで傲岸不遜になるんだろうか。ちっとも安心出来やしない。

「どういう事?」

  警戒レベルを最大に保ったまま尋問する。或いは此処からが本当の戦いなのかもしれない。

「古典的な手だが……一定期間内に私がアジトに戻らない場合には、市街地にミサイルの雨が降り注ぐ事になっている。勿論、ジャマー搭載だ」

  厄介な。通常のミサイルなら何とか穏便に収める事が出来る。大気中に撒布されているアイオロスお兄ちゃんの分子機械「ニーベルング」には元から、一定以上の運動量を持つ物体に自動的にブレーキをかける機能が備わっている。ところが対象がECM搭載になると話が別だ。分子機械間の通信が妨害されて、機能がガタ落ちになってしまう。さっきまでバンバン銃撃出来ていたのもジャミングが効いているからだ。

「……わかったわよ。とっとと尻尾巻いて逃げ帰れば?」

  ブラフと断ずる証拠も無い。ここは痛み分けにしておこう。

ハヤカワとGA 200811

風邪は治まったようなそうでないような。あと唇の荒れが酷いです。

当 Weblog のデータベースが不安定になっている様子。バックアップは定期的にとっておかなくちゃいけませんなあ。

 

それでは本日の戦果。

受肉刑 草稿14

私の異変を察知して、彼岸からあっさり蘇った敵性体に攻撃を仕掛ける護衛アンドロイド。しかし、がくん、と唐突に動きがぎこちなくなる。少女人形がそちらを指差し、小刻みに指を動かす。と、動きの鈍いアンドロイドの周りに幾つもの火花が発生し、完全に停止。更に足元から血塗れの長髪が全体に絡みつき、締め上げ、解体し、最終的には完全なスクラップにされてしまった。

「……つまり、毛髪を担体にして血中の分子機械の適用範囲を拡張した?私が行動不能なのも、神経ハッキングか」

「ご名答。ついでに言っておくと、さっきの火花は炭酸ガスレーザーよ」

「成る程。単なる罠としての擬死モードではなかったということか」

  呼気の排出を止めて、静脈血から収集した炭酸ガスを圧縮して励起したのだろう。体温程度でも、口径を絞ればレーザーの威力はそれなりになる。

ΔE94 をワンライナーで

L*a*b* 空間の単純な距離である色差 ΔE (CIE 1976) に比べて少々ややこしい ΔE94 (CIE 1994) を一行で計算してみました。
awk 使ったから実は一行じゃありませんが。

まず色差を算出したい、対となる測色データ file1, file2 を用意します。

file1

95.05 2.00 -8.38
94.90 2.02 -8.26
94.86 2.03 -8.38
94.70 1.98 -8.33
94.43 1.99 -8.18

file2

94.95 1.90 -8.35
94.98 1.94 -8.32
94.90 1.91 -8.27
94.69 1.90 -8.26
94.30 1.92 -8.18

左から順に L*, a*, b* 値です。
後は以下のコマンドを実行すれば ΔE94 が一列に表示されます。 Matlab や GNU Octave を起動してごちゃごちゃするより気が楽ですね。

# paste file1 file2 | awk '{ dL = $1 - $4; dC = sqrt($2 ^2 + $3 ^2) - sqrt($5 ^2 + $6 ^2); dH = sqrt(($2 - $5) ^2 + ($3 - $6) ^2 - dC ^2); cone = sqrt($2 ^2 + $3 ^2); print sqrt(dL^2 + (dC/(1 + 0.045 * cone))^2 + (dH/(1 + 0.015 * cone))^2) }'

出来れば ΔE00 (CIE 2000) や CAM 02 も計算できるようになりたいのですが……技術文書読むのが面倒くさいです(爆)。

受肉刑 草稿13

手術補助グローブを装着して少女の形をした肉塊の傍らに立つ。ヘッドマウントディスプレイとセットであらゆる施術をサポートしてくれる。これで解剖学は知識のみの私でも解剖が可能だ。さあ「本体」を取り出すとするか……。

  違和感。

  額の傷が、裂傷のみに見える。夥しい出血はあるが、皮膚が切れただけ……?心拍と呼吸が止まったのはショックで……?そんな馬鹿な。戦車の装甲をも貫く自己鍛造弾をまともに被弾した筈なのだ。人間の骨組織をどんなに強化しても防ぎ切ることは適わない。私の兵器群が襲撃をかけた時点では完全に骨の組成は人間と同一だった。
  予想外の事態に撤退を決断する。速やかにこの場を離れ……身体が動かない、声も出ない。呼吸は出来る。倒れることもない。しかしそれ以上は動けない。
「……あー、死ぬかと思った」
  死んでいた筈の少女がそんな言葉を発した。血に濡れて重くなった髪を引き摺って上体を起こす。

電撃文庫他 200811

舌根が咽頭壁に近づきすぎて息苦しいです。俯くと楽になるので、舌の筋肉に力が入り難くなっている模様。只今、化学兵器の本を読んでいるのでドキドキです。ハアハア。

それでは本日の戦果。

受肉刑 草稿12

念のために蜂型ロボットを飛ばして確認する。複眼カメラを通じて送られて来た画像は悲惨なものだった。辺り一面にペンキを打ちまけた様になっており、拡がった髪が朱に染まって頭部の傷口が未詳であることだけが救いか。集音マイクから心音を探ってみるが、当然のごとくそんなものは検出されない。機械-人体インターフェイスの破壊に成功したようだ。「本体」を攻略出来れば一番良いのだが、弟の作った兵器はそんなに甘くないだろう。
  護衛のロボットを連れて標的の回収に向かう。あまり間を空けると「死体」の自己修復が完了してしまうだろう。折角、手間隙掛けて行動不能にしたのが無駄になる。

HJ 文庫 200811

残業の制限がキツくなりました。元々、とっとと帰途に就きたい人間ですので望むところ。これで勉強の時間が取れます。

それでは、本日の戦果。