受肉刑 草稿16

未だぼたぼたと流れ出る血と分子機械の混合溶液を通じてカール伯父さんの神経ハッキングを解除する。運動神経の精度を確かめる様にゆっくりと立ち上がる伯父さん。

「では、また会おう」

 その言葉が放たれた直後に、又もや大量の戦闘機械群がぞろぞろ到着する。咄嗟に長巻を引き寄せるが。

「安心しろ。もしもの場合の為の予備戦力だ。今日はもう撤退する」

 そう言って悠然と去ってゆく。ついさっきまで身動き一つ出来なかったのに、あの落ち着き様はどういうことだろう。腹が立ったので、

「叔父さ〜ん!また遊んでね〜!」

と、精々小憎らしげに声をかけた。伯父さんはちらっと横目で見ただけで反応らしい反応はない。ちっ。

 伯父さんが見えなくなって暫くして、ジャミングが解かれた。あ〜、漸く一段落だ。あたしも帰ろ。

 実は、自己鍛造弾のメタルジェットが命中する直前に、電磁障壁を展開した。飽くまで万一の為の、機械-人体インターフェイスの隠し機能だ。この強度の電磁場変位に人体は耐えられないから。今もあたしの毛細血管は盛大に破れたままだ。鼻血がみっともないし、白目が真っ赤になって紅玉みたいだ。血が足りないので筋肉の痙攣が止まらない(伯父さんの前では逆位相の信号で相殺してた)。大急ぎで分子機械に命じて血液を回収する。あと血管の補修。ああ、炭酸ガスを強制回収したから酸性度が大変な事に。細胞分裂、細胞分裂。ついでにテロメラーゼとSODの合成命令を出しておこう。

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