受肉刑 草稿13

手術補助グローブを装着して少女の形をした肉塊の傍らに立つ。ヘッドマウントディスプレイとセットであらゆる施術をサポートしてくれる。これで解剖学は知識のみの私でも解剖が可能だ。さあ「本体」を取り出すとするか……。

  違和感。

  額の傷が、裂傷のみに見える。夥しい出血はあるが、皮膚が切れただけ……?心拍と呼吸が止まったのはショックで……?そんな馬鹿な。戦車の装甲をも貫く自己鍛造弾をまともに被弾した筈なのだ。人間の骨組織をどんなに強化しても防ぎ切ることは適わない。私の兵器群が襲撃をかけた時点では完全に骨の組成は人間と同一だった。
  予想外の事態に撤退を決断する。速やかにこの場を離れ……身体が動かない、声も出ない。呼吸は出来る。倒れることもない。しかしそれ以上は動けない。
「……あー、死ぬかと思った」
  死んでいた筈の少女がそんな言葉を発した。血に濡れて重くなった髪を引き摺って上体を起こす。

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