受肉刑 草稿9

分子機械との通信用モジュールは頭蓋骨に内蔵されているが、一帯に強力なジャミングがかけられていて使い物にならない。敵軍は赤外線か何かで通信しているんだろう。障害対策しておくんだった。こうなったら……。

  戦闘人形の頭部を踏み台にして近くの塀に飛び乗る。そのまま全速力で離脱。……駄目だ。やっぱり引き離すことはできなかった。あ、弾を装填する音が。慌てて地面に降りる。最寄の角を曲がって、髪の毛を一本手に取り、抜く。「ほぼ人間」のこの身体だが、実は体表や髪の毛には分子機械群が配置されていて、常在菌の代わりを果たしている。これらの分子機械同士は緩い有線でつながっていて、今のような電波障害時も相互通信が可能なのだ。狙いが定めにくいようにジグザグ走行しながらも抜いた亜麻色の髪の毛を地面に垂らし、姉レアの分子機械に通信を試みる。……10秒後、100 メートル先、超音波振動兵装搭載長柄武器……と。用済みの髪の毛を手放し、指定位置に向かって走る。この身体では火事場の馬鹿力でも7秒以上かかる。何度か銃弾の衝撃波が身体を掠めた。っていうか対物ライフルを人体に向けるな!何とか地面に浮かび上がった武器を手に取ることに成功し、転回する。

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