受肉刑 草稿6

「テテュスなら徹夜で身体の調整を済ませて、遊びに出かけたぞ」
  なんたる行動力。無感動無気力な自分とは大違いだ。おっとりした姉レア、根暗な弟アイオロス、天衣無縫な妹テテュスと性格がばらばらなのは複雑系の不可思議としか云い様がない。父バールに質問しても「ジェンダー以外は特に設定していない」そうな。姉弟妹とは云えど同じロットで、生まれた日は殆ど変わらないのだから同じような性格になってもいい筈なのに。
「プリシラ嬢と?」
「そうだろうな」
  プリシラというのは妹テテュスの数少ない友達だ。テテュスと正反対に物静かな人間の少女。因みにこの時点で、チューリングテストにて「人間より人間らしい」と判定されうる人工実存は俺達三兄弟のみだろう。アンドロイドにとって「人間らしさ」がどの程度重要なのかはよく分からないが。

関連:受肉刑 草稿5

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