受肉刑 草稿4

「親子」とはいうものの、親父と俺に血の繋がりがある訳ではない。俺が量子演算回路上に再現された人工実存で、親父はその創造主なのである。通常は呆れるほどに頑健で(大気圏に突入しても無事らしい)異常に怪力な(文字通り百万馬力)鋼鉄の身体に収まっているのだが、「罰」ということで現在は人間とほぼ変わらない身体に閉じ込められている。親父に昨日、この肉体をどうやって用意したのかと訊いてみたら「自分のゲノムを基盤にしてパーツ毎に培養。後でくっ付けた」とのこと。如何なマッドサイエンティストと云えど、全身を作った後で生きている身体から脳髄を搔き出すのは倫理的に無理だったようだ。

「もう、その身体には慣れたか?」

「……まだ、調整中」

  ああ、どうしても胸式呼吸になってしまう。

「そうだろうな。人間なら何年も掛けるところをスキップしたんだからな」

  ええい、いけしゃあしゃあと。

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