受肉刑 草稿2

取り敢えず、周囲の状況を確認しなければならない。改めて目を見開き、聴覚から内部ノイズを除去する。うすぼんやりと光る天井が見える。自室だ。階下から包丁を使う音が聞こえる。姉貴だろう。

  眼輪筋の動作調整も兼ねて視線を移動させる。……何だろう、生身なのに機械的な動きをする。0.1秒移動、0.3秒静止、0.1秒移動のパターン。そして移動時は視覚情報が送られてこない。さらに認識範囲を広げようとして首を回そうと——。

「!」

  勢いを付けすぎて耳介と頬骨を強力に擦った。思考と感覚を覆い尽くすほどのノイズが発生する。筋肉の不随意運動が大きくなる。——これが生身の「痛み」か。

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